アーティスト・マネジメントに「心理学」が使える3つの理由

2017/12/24

アーティストをマネジメントするとき、なぜ「心理学」が使えるのだろうか?

 

 

何故ならば....

①エンターテイメントは、「こころ」のビジネスだから。

②アーティストの「こころ」は繊細だから。

③アーティストを取り巻く「環境」は、ストレスに満ち溢れているから。

 

実際にアーティスト・マネジメントに携わった人であれば分かるはずだが、我々の仕事はアーティストの「こころ」と向き合う仕事だからだ。

 

私は、この仕事に従事する多くの人が「心理学」を学ぶことで、自分の「こころ」も楽になり、アーティストにもより良い環境を与えることができると信じている。

 

だから多くの人にその知識を理解してもらいたいと思うのだ。

そこには前述した3つの理由からだ。

 

心理学的アプローチで、アーティストの活動をフォローするんだ!

「心理学」的アプローチを取り入れ、アーティストの「こころ」を理解することが大きなサポートになる。

 

①エンターテインメントは「こころ」のビジネスだから。

エンターテインメントは、なぜ「こころ」のビジネスなのだろうか?

なぜなら、すべての作品が「こころ」の中で創作され、受け取る側の「こころ」に影響を与えるからだ。

「感情」を「動かす」という「こころ」の作用を、「感動」という言葉で私たちは表現する。「こころ」に作用しないものは、エンターテインメントとは言えない。

だからこそ、どうしたら聴衆を魅了し「感動」を与えることができるか、これはもちろんアーティストの力量にもよるが、マネジメントやプロデューサーが言語化して説明することができたとしたら、アーティストにとって大きなサポートになるからだ。

だからこそ、人間の「こころ」の仕組みを知ることは大きな武器になる

すべてのビジネス領域においてマーケティングという作業は、人間の「認知」と「行動」を理解するために「心理学」を研究している。

ディズニーやハリウッド映画ではすでに「心理学」をベースにしたシナリオ制作が当たり前になっている。

ところが音楽ビジネスに関して言えば、積極的に取り入れているところは少ないのではないだろうか?

ヒットしたアーティストのノウハウを心理学的に意味づけすることはあっても、アーティストキャリアのスタートから「心理学」を利用してその活動をサポートするという手法はあまり行われていないのが現状だ。

驚くべきことに、次から次へとヒットを飛ばすようなプロデューサーやマネジメントは自分の「勘」や「経験」を基にして成功しているのだが、その手法は無意識的でありながらも心理学的に解明されている「成功」のプロセスであることが多い。

もし私が「心理学」を学んでいなければ、それを言語化して説明することはできない。

かつて、自分のスタッフの1人に「どのようにアーティストをマネジメントすればいいのでしょう?」と聞かれた時に「愛が足りない」とか「気合が足りない」というような抽象的な言葉でしか伝えることはできなかった。

最近では飲み会などの席で、「〇〇サンがやってるのは心理学的に言うとこういうことなんですよ」「ああ、そうなんだ〜全然意識してなかった〜」などという感じの会話ができるようになった。それは「心理学」を学んだから初めて言語化できるのだ。

私が本当に思うのは「心理学」を学んだプロデューサーやマネジャーがたくさん登場したとしたら、アーティストや若いマネジメントにとってどれだけ良い環境づくりをすることができるのだろうか…音楽産業もまだまだ発展の余地はあるのではないだろうか…ということだ。

 

 

②アーティストの「こころ」は繊細だから。

そもそも、なぜアーティストの「こころ」は「繊細」で取り扱いが難しいのか?

「クリエイティブであることは、それだけで精神疾患である」これはアメリカの精神医学会で本当に語られている言葉だ。

私は、「クリエイティブ=精神疾患」であるとは思わない。なぜなら人間はすべてクリエイティブな一面を持っているからだ。

しかし、優れたアーティストの「こころ」は以下のような二つの点において普通の人よりハイスペックであることは間違いない。

1つ目は「こころ」の感度が高い。
「こころ」の感度が高いというのは「センスがいい」ということだ。

センスとは感じやすいということである。感覚が鋭敏だということだ。

そして聴衆はアーティストにそれを求める。なぜなら、送り手が受けてより感度が高くなければ「感動」を生むことができないからだ。

あなたは、あなたより感度の鈍いアーティストの作品に感動するだろうか?

あなたより感覚が鈍い人をアーティストとして認めるだろうか?

いうまでもなく彼らは私たちよりクリエイティビティが高い必要がある、私たちに見えないものが見え、聞こえないものが聞こえ、すべてをいち早く感じ取ることが求められる。

だからこそ、私たちが傷つかないことに傷つき、怒りを感じるのだ。

感度が高いラジオがノイズを拾ってしまうように、精密な機械が壊れやすいように…「感度が高い」ということはそれ相応の「負荷」が「こころ」にかかってしまうのだ。だからこそ、メンテナンスが必要なのだ。

 

そして2つ目は「感情」のエネルギーが大きい。

「感情」のエネルギーが大きいということは、「影響力」が大きいということだ。

優れたアーティストは、相手の「価値観」すら変えてしまうほどの「影響力」を持っている。

たった一曲が、その人の人生を変えてしまうことだってある。

それほど彼らの「感情」のエネルギーは巨大なのだ。

だからこそ、一度その「感情」がコントロールを失ってしまったら、大きなダメージを受けることになる。

まるで原子力発電所の崩壊が惨劇をもたらすように、そのエネルギーは破滅をもたらす。

だからこそ、常日頃からの「こころ」のメンテナンスが重要なのだ。

 

つまり、アーティストの「こころ」は「感度が高く繊細」で、「感情のエネルギーが大きい」ゆえに十分なメンテナンスを必要としている。

 

アーティストを取り巻く「環境」は、ストレスに満ち溢れているから。

なぜアーティストを取り巻く「環境」はストレスに満ち溢れているのか?

アーティストと言う職業は、一生「冒険」をしているようなものだ。

「成功」するという保証はどこにもない、そして「成功」しても「安定」するとは限らない。

「売れる」までは「売れない」ことで悩み、「売れたら」「売れなくなる」ことに怯える宿命を背負っている。

「売れなければ」バイトとバンドの掛け持ちで忙殺され、「売れたら」売れたでインタヴュー、プロモーション、ツアー、レコーディングと次から次へと果てのない作業が続く。

「好きなことやって飯を食っていけるなんて夢のようだ」もちろん誰もがそう思ってこの世界に飛び込んでくるのだが、楽しいことがある分、果てしなく続くピンチの連続でもあるのだ。

それはまるで、ジェットコースターのように、上昇した分だけ下降する、大きい「成功」は、大きな「喪失」の危険性を伴っているのだ。

人気の絶頂にいるアーティストが、「自殺」をしたり「ドラッグ」に溺れたりするのは、その心的プレッシャーに耐えられなかったことの表れだ。

もちろん、彼らからしてみれば一般社会に溶け込むことのほうが「困難」なのだが、「安定」と言う言葉と無縁の人生も常に「こころ」に負担がかかってしまうのだ。

だからこそ、我々マネジメントはアーティストのメンタル面での「環境整備」を行う必要があるのだ。

 

アーティスト・マネジメントに「心理学」が使える3つの理由

①エンターテイメントは、「こころ」のビジネスだから。

②アーティストの「こころ」は繊細だから。

③アーティストを取り巻く「環境」は、ストレスに満ち溢れているから。

だからこそ、我々は「こころ」の仕組みを理解すること必要があるのだ。

 

-①アーティスト・マネジメント心理学入門
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